「なんとなく体に良さそう」で食品を選んでいませんか?パッケージ裏の栄養成分表示には、健康を守るヒントが詰まっています。
この記事では、毎日の買い物がもっとラクになる、栄養成分表示の基本の読み方を食品表示診断士のリーリーが解説します。
まず覚えたい!栄養成分表示の5つの基本項目

栄養成分表示には、次の5つが「義務表示」として書かれています(小規模な事業者の商品など、省略が認められる場合もあります)。順番に見ていきましょう。
① エネルギー(kcal)
いわゆるカロリー。人間が活動するための「燃料」です。食べすぎれば太りやすくなりますが、カロリー=悪ではありません。大事なのはカロリーの中身、つまり栄養素のバランスです。
1日の目安:成人男性 2,600〜2,750kcal/成人女性 1,950〜2,050kcal(18〜64歳・身体活動レベル「ふつう」、日本人の食事摂取基準(2025年版))
② たんぱく質
筋肉・皮膚・髪など、体をつくる材料になる栄養素。育ち盛りの子どもや、ダイエット・トレーニング中の人には特に重要です。エネルギーとしては1gあたり約4kcal。
1日の目安:成人男性 65g(1食約22g)/成人女性 50g(1食約17g)
③ 脂質
悪者にされがちですが、ホルモンの材料や細胞膜の構成に欠かせない栄養素です。ただし1gあたり約9kcalと、たんぱく質や炭水化物の2倍以上のカロリーがある点には注意。摂りすぎは肥満や生活習慣病につながります。
1日の目安:成人男性 約75g(1食約25g)/成人女性 約56g(1食約19g)※総エネルギーの25%で計算
④ 炭水化物
糖質と食物繊維を合わせたもので、主に糖質がエネルギー源になります(1gあたり約4kcal)。脳の働きにも必要不可欠ですが、糖質が多いと血糖値が急上昇しやすいので、量だけでなく質も大切です。
1日の目安:成人男性 330〜430g(1食110〜140g)/成人女性 250〜325g(1食83〜108g)※総エネルギーの50〜65%で計算
⑤ 食塩相当量
ナトリウムの量を食塩に換算した数値です。摂りすぎは高血圧を招き、心臓や腎臓にも負担がかかります。
1日の目標:男性7.5g未満/女性6.5g未満。1食あたり約2g以下を意識すると、加工食品の塩分の多さに気づけるようになりますよ。
数字を見る前に「何g当たり」を確認
栄養成分表示の数字は、「100g当たり」「1袋当たり」「1個(25g)当たり」など、商品によって基準がばらばらです。食品表示基準では、100g(100ml)当たり、1食分、1包装などの単位で書くことになっていて、1食分で書くときは、その1食分の量もいっしょに書く決まりです。
「1個当たり」の表示で1袋に3個入っていれば、1袋を食べたときの量は3倍です。2つの商品を比べるときは、同じ基準にそろえてから比べるのがコツです。
食塩相当量は「ナトリウム×2.54」
食塩相当量は、食品に含まれるナトリウムの量を、食塩の量に換算した数字です。ナトリウムの量に2.54をかけて計算します。ナトリウム400mgなら、食塩相当量はおよそ1.0gです。海外の商品などでナトリウムしか書かれていないときは、この計算を覚えておくと便利です。
「ゼロ」「ひかえめ」にも決まりがある
パッケージの「カロリーゼロ」「脂質ひかえめ」などの言葉にも、食品表示基準で決まった基準があります。
| 表示の例 | 100g当たりの基準(飲み物は100ml当たり) |
|---|---|
| カロリーゼロ・ノンカロリー | 熱量が5kcal未満 |
| 低カロリー・カロリーひかえめ | 熱量が40kcal以下(飲み物は20kcal以下) |
| 脂質ゼロ | 脂質が0.5g未満 |
| 低脂肪・脂質ひかえめ | 脂質が3g以下(飲み物は1.5g以下) |
| 糖類ゼロ | 糖類が0.5g未満 |
つまり「ゼロ」は、まったく入っていないという意味ではありません。たくさん食べたり飲んだりすれば、そのぶん少しずつ増えていきます。
あわせて読みたい「カロリーゼロ」は0kcal?パッケージの言葉クイズ5問「推定値」と書いてあったら
栄養成分表示の近くに「推定値」「この表示値は、目安です。」と書かれていることがあります。これは、分析ではなく計算などで出した値で、実際の値と少しずれる可能性がある、という意味です。ルールにそった書き方なので、心配しすぎなくて大丈夫です。
あわせて読みたい栄養成分表示の「推定値」とは?書き方・書く場所・使えない場面目的別「ここだけ見る」チェックのコツ
毎回ぜんぶ読む必要はありません。目的別に見る場所を決めておくと、買い物がスムーズになります。
- ダイエット中 → エネルギーと脂質。100g当たりに揃えて比較すると分かりやすい
- 塩分が気になる → 食塩相当量。1食2g以下が目安。加工肉・スープ・漬物は特に注意
- 糖質を控えたい → 「炭水化物 − 食物繊維 = 糖質」。炭水化物の数字だけ見ると過大に見えることも
- 筋肉をつけたい → たんぱく質。1食20g程度を目安にする考え方があります
まとめ|「なんとなく選び」から卒業しよう
- カロリーだけで判断しない。中身のバランスが大事
- たんぱく質・脂質・炭水化物のバランスを目安量と比べてみる
- 食塩相当量に注目。摂りすぎは高血圧などのリスクに
- 「何g当たり」の表示かを必ず確認
食品の栄養は、見た目やキャッチコピーでは分かりません。「見るだけでいい、覚えなくていい」——その気軽な姿勢が続けるコツです。少しずつ、裏ラベルを見る習慣を育てていきましょう。
出典:日本人の食事摂取基準(2025年版)、食品表示基準(平成27年内閣府令第10号)第3条・第7条・別表第十二・別表第十三、消費者庁「食品表示基準について」


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