スイカに塩をかけると甘く感じる——体験したことありませんか?これは「味の対比効果」と呼ばれる、味覚の面白い性質のひとつです。
実は、こうした“組み合わせ”による変化は食品添加物にもあります。ただしこちらは甘くなるどころか、組み合わせ次第で健康リスクが生じることも。今回は食品表示診断士のリーリーが、食品添加物の相互作用について、こわがりすぎず正しく知るための解説をします。

スイカに塩をかけると甘く感じるのはなぜ?
ちがう味をいっしょに口に入れたとき、一方の味がより強く感じられることを「対比効果」といいます。スイカに少しだけ塩をかけると、塩味が甘みを引き立てて、より甘く感じられます。おしるこにひとつまみの塩を入れるのも、同じ考え方です。
ポイントは「ほんの少し」。塩をかけすぎると、今度は塩味が勝ってしまいます。味の組み合わせは、量のバランスで結果が変わるのです。
そもそも:添加物は「単体」では安全が確認されている
大前提として、使用が認められている食品添加物は、それぞれ単体での安全性がチェックされています(天然由来の「既存添加物」は長く使われてきた実績をもとに認められ、国が順次安全性を見直しています)。問題になりうるのは、複数の成分が組み合わさったとき。世の中にある膨大な組み合わせをすべて検証するのは難しいのが現実です。
とはいえ、すでに「注意が必要」と分かっている代表的な組み合わせもあります。ここでは身近な加工肉を例に見ていきましょう。

注意したい組み合わせ:加工肉の「亜硝酸ナトリウム」
① 亜硝酸ナトリウム × アミン類

ハム・ソーセージ・ベーコンなどの加工肉には、発色や保存のために亜硝酸ナトリウムが使われることがあります。これが肉に自然に含まれるアミン類と反応すると、ニトロソアミンという発がん性が指摘される物質ができることがあります。
特にベーコンなどを高温で焼いたり揚げたりすると生成が進みやすいとされています。
② 亜硝酸ナトリウム × ソルビン酸

保存料のソルビン酸(ハム・ソーセージ・練り製品・チーズ・あんやジャムなどに使われる)も、単体では安全性が確認されている添加物です。ただし亜硝酸ナトリウムと組み合わさると、特定の条件(酸性の液の中で反応させるなど)で、DNAを傷つける可能性のある物質ができるという実験報告があります。

過度に怖がる必要はありません
ここまで読むと不安になるかもしれませんが、通常の食生活で時々加工肉を食べる程度なら、過度に心配する必要はありません。リスクが問題になるのは「毎日たくさん食べ続ける」ような場合です。大切なのは、こわがって食べないことではなく、知ったうえで頻度を調整することです。
なお、食品安全委員会がまとめた調査報告書でも、食品添加物の組み合わせによる健康影響は「現実的な問題ではなく、理論的な可能性の推定にとどまるもの」と結論づけられています(内閣府食品安全委員会「食品添加物の複合影響に関する情報収集調査報告書」平成19年3月)。
「無塩せき」ってどういう意味?
ハムやソーセージ、ベーコンで見かける「無塩せき」は、肉を塩漬けにする工程(塩せき)で、亜硝酸ナトリウムなどの発色剤を使っていないという意味です。発色剤を使っていないので、色はうすいピンクやベージュに近くなります。
発色剤には、色をよくするだけでなく、ボツリヌス菌などの増殖をおさえる働きもあります。無塩せきの商品は、表示された保存方法と期限をよく守って食べましょう。
あわせて読みたい食品添加物のメリット・デメリット|なぜ使う?役割一覧をわかりやすく解説食品表示での確認方法

亜硝酸ナトリウムやソルビン酸が入っているかは、一括表示で確認できます。原材料名のスラッシュ(/)の後ろに書かれているのが食品添加物です(スラッシュのほか、改行したり「添加物」の欄を別に設けたりして分ける書き方もあります)。詳しい確認方法は5秒でできる食品添加物の確認方法で紹介しています。
まとめ|できる範囲の工夫でリスクは減らせる
- 気になる方は、亜硝酸ナトリウムなどの発色剤を使わない「無塩せき」表示の商品を選ぶという方法もある
- 加工肉や練り製品は毎日大量に食べず、適度な頻度に
- 原材料名の/以降で添加物をチェックする習慣をつける
- 加工品に頼りすぎず、自然な食材もバランスよく取り入れる
「組み合わせのリスクがある」と知っておくだけで、選び方や食べ方は変えられます。神経質になりすぎず、できる範囲の工夫で上手に付き合っていきましょう。
出典:内閣府食品安全委員会「食品添加物の複合影響に関する情報収集調査報告書」(平成19年3月)、食品安全委員会「亜硝酸ナトリウム(発色剤)について」


コメント