「内容量 200g」と書いたクッキーの袋。袋詰めのとき、何g入っていれば大丈夫か、すぐに答えられますか?
答えは196g以上です。計量法の「量目公差(りょうもくこうさ)」で、菓子類を200gと表示して売るときは、4gまでの不足が認められているからです。
でも、内容量が150gなら? 80gなら? めん類や魚介類だったら?——商品の種類や量が変わるたびに、政令の表を開いて計算するのはけっこう大変です。
そこで、商品の種類と内容量を入れるだけで「何g以上入れればいいか」がわかる無料ツールを作りました。この記事では、中級食品表示診断士のリーリーが、使い方と、使う前に知っておきたい計量法のルールを紹介します。
⚖️ 量目公差かんたん計算を使ってみる(無料)このツールでわかること
入力するのは、商品の種類とパッケージに書く内容量の2つだけ。すると、次の3つがわかります。
- 梱包するときに何g以上入っていればいいか(量目公差の下限)
- 実際に量った量が足りているか・入れすぎていないか(量った数字を入れた場合)
- どのくらい細かく量れるはかりを使えばいいか(はかりの目量の目安)
計量法で量目公差が決まっている29項目(政令 別表第一)すべてに対応しています。登録もインストールもいらず、スマホでもパソコンでもそのまま使えます。
使い方は3ステップ

① 商品の種類を選ぶ
クッキーやマドレーヌ、パウンドケーキなどの焼き菓子なら「12. 菓子類」を選びます。商品の種類によって、使う公差の表と上限が変わるためです。
ちなみに、食パン・菓子パン・調理パンは「菓子類」には入らず、量目公差がかからない商品です(経済産業省「商品量目制度Q&A集」分類-63)。
② パッケージに書く内容量を入力する
袋やラベルに書く数字をそのまま入力します。この時点で「何g以上入れればいいか」が表示されます。
③ 実際に量った量を入力する(入力しなくてもOK)
袋詰めしたものを量った数字を入力すると、足りているか、入れすぎていないかを判定します。
結果の見方

いちばん大きく出る「196g以上」が、梱包するときの下限です。その下に3つの数字が並びます。
- 196g:これ以上ならOK(下限)
- 200g:パッケージに書く量
- 220g:入れすぎの目安(経済産業省の目安)
その下には「別表第二 表(一)」「200g × 2% = 4g」のように、どの表のどの区分で計算したかも出るので、根拠を自分で確かめられます。

下限に1gでも届かないと「足りません」と表示されます。量目公差は1袋ずつで判断されるので、平均で足りていても、1袋でも下回ればその商品は違反として扱われることがあります(Q&A集 全般-16)。
菓子類でよく使う内容量の早見表
焼き菓子(菓子類)でよく使う内容量を、ツールと同じ計算で表にしました。菓子類は政令 別表第二の「表(一)」を使います。
| パッケージに書く量 | 認められる不足 | 梱包するときは |
|---|---|---|
| 30g | 1.2g | 28.8g以上 |
| 50g | 2g | 48g以上 |
| 80g | 2g | 78g以上 |
| 100g | 2g | 98g以上 |
| 150g | 3g | 147g以上 |
| 200g | 4g | 196g以上 |
| 300g | 6g | 294g以上 |
| 500g | 10g | 490g以上 |
めん類、生鮮の魚介類、野菜の漬物などは「表(二)」を使うので、同じ200gでも認められる不足は6gになります。ほかの商品は、ツールで商品の種類を選んで確かめてください。
使う前に知っておきたい4つのこと
「10枚入り」のように個数で書くなら、この計算はいりません
量目公差がかかるのは、重さなどを表示して売るときです。手作りクッキーなら「10枚」「1個」のように個数で書くこともできます(食品表示基準 第3条)。
ただし、次のお菓子を袋などに密封して売るときは、重さ(g)の表示が義務になります(特定商品の販売に係る計量に関する政令 第5条)。
- 1個3g未満のビスケット類・米菓・キャンデー(ナッツやクリーム、チョコレートなどをはさんだり、入れたり、付けたりしたものを除く)
- 1個3g未満の油菓子
- 缶入りの水ようかん・プリン・ゼリー
- チョコレート(ナッツやキャンデーなどを入れたり付けたりしたもの、細工ものを除く)
- スナック菓子(ポップコーンを除く)
- 冷凍食品として売るケーキなど(Q&A集 分類-60)
量るのは「検定付き」のはかりで
販売する商品を量るはかりは、検定証印(または基準適合証印)のついた「検定付き」のものでなければなりません。家庭用のキッチンスケールは、取引には使えません(計量法 第16条)。違反すると罰則もあります(同法 第172条)。
ツールの結果に出る「目量」は、はかりのいちばん細かい目盛りの目安です。公差の3分の1以下の目量のはかりを使うのがよい、とされています(Q&A集 全般-35)。200gの菓子類なら、1g単位で量れる検定付きのはかりで足ります。
「販売するとき」まで下限を保つ
量目公差は、袋詰めしたときではなく、販売するときまでその量を保っている必要があります。焼き菓子は時間がたつと乾燥して軽くなることがあるので、減る分を見込んで、必要な分だけ多めに入れておくのは問題ありません(Q&A集 全般-27)。
入れすぎと「約」にも注意
入れすぎには量目公差の決まりはありませんが、経済産業省は目安を示していて、著しい入れすぎは指導・勧告の対象になりえます(Q&A集 全般-9)。ツールの「入れすぎの目安」を参考にしてください。
また、「約200g」のように「約」をつけた書き方はできません(Q&A集 全般-30)。
量目公差のしくみを詳しく知りたいときは
量目公差の考え方や、29項目の一覧、違反したときの流れは、こちらの記事でくわしく解説しています。
量目公差の早見表と解説を読むまとめ
- 商品の種類と内容量を入れるだけで、何g以上入れればいいかがわかる
- 量った量を入れれば、足りているか・入れすぎていないかも判定できる
- 個数で書くなら量目公差の計算はいらない。ただし重さの表示が義務のお菓子もある
- 量るのは検定付きのはかりで、販売するときまで下限を保つ
※このツールは一般的な計算の目安です。個別の商品の分類や判断は、お住まいの地域の計量検定所にご確認ください。
ツールで作った表示、そのまま出して大丈夫?
中級食品表示診断士(食品表示検定中級合格)のリーリーが、販売前の表示を一項目ずつ点検して、直したほうがよい箇所を報告書でお返しします。一から作ってほしい方向けの作成もあります。
レシピから作ってほしい方は一括表示の作成サービス、ココナラ以外ならお問合せフォームからどうぞ。
出典:計量法(第12条・第16条・第172条)/特定商品の販売に係る計量に関する政令(第3条・第5条・別表第一・別表第二)/経済産業省「計量法における商品量目制度Q&A集」(令和7年12月)/食品表示基準 第3条

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