量目公差の早見表|内容量は何gまでズレていい?計量法をお菓子で解説

販売者向け

この記事は一般的な情報をまとめた解説です。掲載内容は執筆時点のものであり、個別の食品表示の適法性を保証するものではありません。実際の表示内容は、お住まいの地域の計量検定所・消費者庁の最新情報をご確認のうえ、ご自身の責任で最終決定してください。

「クッキーの内容量に『200g』と書いたけど、量ってみたら198g。これって表示違反?」

答えは、200gと書いたなら、196g以上あれば大丈夫です。198gならOKです。計量法という法律で、袋に書いた重さと実際の重さの「許されるズレ」が決まっていて、これを量目公差(りょうもくこうさ)といいます。

この記事では、お菓子の量目公差の早見表と、手作りお菓子を売る人が気をつけるところを、順番に説明します。

先に結論
・200gと書いたら196g以上、100gなら98g以上あればOK(下の早見表)
・1袋ずつ量って判断します。平均でそろえる考え方は通用しません
・焼き菓子は時間がたつと軽くなるので、売るときまで足りるように少し多めに入れます
・「約200g」とは書けません
・「6枚」のように個数で書けば、量目公差は関係ありません(個数で書けないお菓子もあります)

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お菓子の量目公差表(早見表)

袋に書いた重さ(表示量)ごとに、足りなくてよい量が決まっています。お菓子(菓子類)の場合は次のとおりです。

表示量足りなくてよい量この重さ以上ならOK(例)
5g以上50g以下4%30g表示 → 28.8g以上
50g超100g以下2g80g表示 → 78g以上
100g超500g以下2%200g表示 → 196g以上
500g超1kg以下10g800g表示 → 790g以上
1kg超5kg以下1%2kg表示 → 1,980g以上

「%」は、袋に書いた重さに対する割合です(量った重さに対してではありません)。5g未満と5kgをこえるものには量目公差の決まりはありませんが、正確に量るよう努める決まりは変わりません。

自分の商品の種類と内容量で計算したいときは、無料のツールを使ってください。実際に量った重さを入れると、足りているか、入れすぎていないかも判定できます。

ツールの画面の見方は、量目公差の計算ツールの使い方で画面つきで紹介しています。

自分の商品の内容量、この書き方で大丈夫?

「グラムで書くか、個数で書くか」も含めて、販売前の表示をまるごと確認します。中級食品表示診断士のリーリーが、直したほうがよい箇所を報告書でお返しします。

量目公差とは?何gまでズレていい?

量目公差は、袋に書いた重さより実際の中身が少ないときに、どこまで許されるかの決まりです。計量法と、その政令(特定商品の販売に係る計量に関する政令)で決められています。

対象は、政令で決められた「特定商品」だけです。お菓子は「菓子類」として入っています。はちみつや飲料なども入っているので、お菓子と一緒に売るときは気をつけてください。どの分類に当たるか迷ったときは、経済産業省の計量法Q&A(分類)で確かめられます。

入れすぎは自由?(上限の目安)

多く入っている分には、量目公差の決まりはありません。ただ、計量法には「正確に量るように努める」という決まりがあり、経済産業省は入れすぎの目安を示しています。

表示量入れすぎの目安例
5g以上50g以下5gまで30g表示 → 35gまで
50g超300g以下10%まで200g表示 → 220gまで
300g超1kg以下30gまで500g表示 → 530gまで
1kg超3%まで2kg表示 → 2,060gまで

これを大きくこえる入れすぎは、指導・勧告の対象になることがあります。「多めに入れておけば安心」とは言い切れません。

実際に計算してみる(200gの場合)

200gは「100g超500g以下」なので、許されるズレは2%です。200g×2%=4gなので、196g以上あればOK、196g未満だと不足です。

内容量200gと書いたら196g以上あればOK。200gの2%で4gまで足りなくてよく、196g未満は不足。1袋ずつ判断する

この196gという下限は、四捨五入などをせず、そのまま使います。195.9gは不足です。

1袋でも足りなければ違反になる

経済産業省のQ&Aでは、1つでも量目公差をこえて足りない商品があれば違反として扱われ、指導や勧告の対象になりうるとされています。全部の袋の平均で196gあればよい、という考え方ではありません。

品目や内容量を変えて計算したいときは、量目公差かんたん計算で確かめられます。

自分の商品の数字で合っているか不安なときは、販売前の表示チェック(ココナラ)もお受けしています。

「販売するときまで」足りている必要がある

量目公差は、袋に詰めたときだけでなく、お客さんに売るときまで守る必要があります。焼き菓子は時間がたつと水分が抜けて軽くなるので、詰めたときにぴったり196gでは、売るときに足りなくなることがあります。

軽くなる分を見こして少し多めに入れる(入れ目)のは認められています。賞味期限まで足りるようにするための入れ目なら、上の入れすぎの目安をこえても、自然に減る分を見こした必要最小限であれば差し支えないとされています。余裕を見すぎた入れすぎは避けてください。

あわせて読みたい入れ目とは?焼き菓子は詰めたあと軽くなることがある|内容量が足りなくならない決め方

量目公差がかかるのはどんなとき?個数で書けば関係ない?

量目公差がかかるのは、内容量を重さ(gなど)で書いたときだけです。

内容量を200gと重さで書くと量目公差がかかり、6枚と個数で書くと量目公差は関係ない。チョコレートなど個数で書けないお菓子もある

食品表示のルールでは、内容量は重さ・体積・個数のどれかで書けます。手作りクッキーなら「6枚」と書けば、量目公差は関係ありません。

重さで書く決まりのお菓子

ただし、次のお菓子を密封して売るときは、計量法で重さを書くことが決まっています(個数では書けません)。

  • 1個3g未満のビスケット類・米菓・キャンデー(ナッツ類・クリーム・チョコレートなどをはさんだり、入れたり、付けたりしたものを除く)
  • 1個3g未満の油菓子
  • 缶入りの水ようかん(くり・ナッツ類などを入れたものを除く)、缶入りのプリン・ゼリー
  • チョコレート(ナッツ類・キャンデーなどを入れたり付けたりしたもの、細工ものを除く)
  • スナック菓子(ポップコーンを除く)
  • 冷凍食品として売るケーキなど

1個3g以上のクッキーや、冷凍していないケーキは入りません。手作りの板チョコや、何も入れていない1個3g未満の小さなクッキーは入るので注意してください。

「密封」は、袋や包装を破らないと中身を出し入れできない状態のことです。熱でとじた袋は密封に当たり、ふつうのテープでとめただけなら密封には当たりません。

パンは量目公差の対象外

食パン・菓子パン・調理パン・イーストドーナツは、量目公差の対象になりません(冷凍しても同じ)。経済産業省のQ&Aによる扱いです。イーストドーナツ以外のドーナツについては書かれていないので、迷ったら確認してください。

冷凍して売るケーキは数字が変わる

ケーキを冷凍食品として売ると、「菓子類」ではなく「調理食品」の扱いになり、許されるズレが変わります(200gなら2%=4g→3%=6g)。上の一覧のとおり、密封すれば重さで書く決まりにもなります。−15℃より高い温度で流通させるなど、冷凍食品に当たらないものは菓子類のままです。冷凍ケーキの表示や菌の基準は、冷凍ケーキを販売するには?許可・表示・菌の基準をやさしく解説でまとめています。

内容量の書き方の注意

「約200g」とは書けない

「約」をつけても、ズレてよい幅は広がりません。そもそもお菓子では「約○g」という書き方自体ができません。値札やカタログなどでも同じです。「○g以上」「○g〜○g」という書き方も避けてください。

「200g(20g×10枚)」は両方に量目公差がかかる

総量と1枚の重さを並べて書くと、200gにも20gにも、それぞれ量目公差がかかります。20gは「5g以上50g以下」なので4%=0.8g。1枚ずつかなり正確にそろえる必要があるので、並べて書くかは慎重に決めてください。

個包装の袋の重さは入れない

内容量は、1枚ずつ包んだ袋などをのぞいた中身の重さで書きます。衛生上の理由で包装ごとでないと正しく量れない場合は、「個包装込み」とはっきり書けば、包装込みの重さでもかまいません。ただし、上の「重さで書く決まりのお菓子」を密封して売る場合は、この例外は使えません。

小数点以下は何桁まで?

「153.4g」と書くか「154g」と書くかに、法律の決まりはありません。経済産業省のQ&Aでは、書く数字は有効数字4桁以下がよい、という目安が示されています。

はかりは「検定付き」を使う

内容量を書いて売るお菓子を量るはかりは、検定に合格した印があるもの(検定付き)でなければ使えません。家庭用のキッチンスケールは使えず、違反すると6か月以下の拘禁刑または50万円以下の罰金の対象になります。量目公差とちがい、勧告などの段階はありません。

なお、レシピの材料を量るなど、お客さんとの取引に使わない計量なら、家庭用のはかりでもかまいません。

はかりの細かさ(目量)は、量目公差の3分の1以下が目安です。200gの商品なら公差は4gなので、1g単位で量れるものが目安になります。

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検定付きはかりの選び方

  1. 「検定付き」「取引・証明用」と書かれたものを選ぶ。「業務用」「高精度」と書いてあるだけでは、検定付きとは限りません。
  2. 袋の重さに合った目量(目盛りの細かさ)を選ぶ。目安は公差の3分の1以下です。
    ・150g以上の袋だけを量るなら:目量1g
    ・それより小さい袋も量るなら:目量0.5g以下
  3. 使う地域に合ったものを買う。検定付きはかりは、地域による重力のちがいに合わせて調整されていて、使える地域が決まっています。商品名の「3区」「4区」などで選ぶか、注文するときに使う場所の郵便番号を伝えます。
  4. 買ったあとは定期検査がある。取引に使うはかりは、2年に1回、都道府県などが行う定期検査を受ける決まりです(計量法第19条・第21条、計量法施行令第11条)。

A&D SJ-1000N(ひょう量1kg・目量1g・3級検定付き)

150g以上の袋が中心の方に。楽天では7,000円前後です(2026年10月時点)。使う地域ごとに「3区」「4区」などの別の商品になっているので、自分の地域のものを選んでください。

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A&D EW-1500i-K(ひょう量600g/1500g・目量0.2g/0.5g・3級検定付き)

先に確認:内容量を「6枚」のように個数で書ける商品なら、重さで売らないので、このはかりは要りません。個数で書けるかどうかは、上の「量目公差がかかるのはどんなとき?」で確認できます。

100g以下の小さい袋も重さで売る方に。600gまでは0.2g単位で量れます。ハカルドットコム楽天市場店で23,800円です(2026年10月時点)。注文するときに使う場所の郵便番号を入力します。受注生産のため、発送まで最長2か月かかります。

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違反するとどうなる?

量目公差を守れなかったとき、いきなり罰金になるわけではありません。次の順番で進みます。

  1. 勧告……買う人の不利益になるおそれがあるとき、都道府県などから、直すように勧告される
  2. 公表……勧告に従わないと、そのことが公表されることがある
  3. 命令……正当な理由なく従わないと、直すように命令される
  4. 罰則……命令に違反すると、50万円以下の罰金

ただし、立入検査で足りない商品が見つかると、その内容量の表示を消されることがあります。日ごろから量って確かめておくのが、いちばんの対策です。

あわせて読みたい食品表示のミスが見つかったときの流れ(どんなときに罰則までいく?) あわせて読みたい賞味期限の決め方|手作り焼き菓子の期限設定をガイドラインの原文から解説あわせて読みたいハンドメイドお菓子を売る前に。食品表示でよくある間違い9選

うちの商品は、個数で書ける?グラムで書く?

商品の種類や、袋の閉じ方で答えが変わるところです。迷ったら、商品ごとに確認します。

まとめ

  • 200gと書いたら196g以上あればOK。区分ごとの数字は早見表で確かめる
  • 1袋ずつ判断する。1袋でも足りなければ違反になりうる
  • 焼き菓子は売るときまで足りるよう、少し多めに入れる
  • 入れすぎにも目安がある(200gなら220gまで)
  • 「約200g」とは書けない。「200g(20g×10枚)」は両方に量目公差がかかる
  • 「6枚」のように個数で書けば量目公差は関係ない。チョコレートなど、密封したら重さで書く決まりのお菓子もある
  • はかりは検定付き。家庭用のキッチンスケールは使えない

出典・参考

  • 計量法 第10条・第12条・第13条・第15条・第16条・第150条・第172条・第173条
  • 特定商品の販売に係る計量に関する政令(第3条・第5条、別表第一・第二)
  • 食品表示基準 第3条
  • 経済産業省「商品量目制度Q&A」全般-1・9・16・18・21・24・27・30・35・38・39・42、分類-60・63

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この記事は一般的な情報をまとめたものです。実際の適用や判断は、お住まいの地域の計量検定所・消費者庁の最新情報をご確認ください。

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リーリー

この記事を書いた人

リーリー調理師・中級食品表示診断士

食品メーカーで食品表示の実務を担当していました。いまは調理師として働きながら、パッケージの裏の読み方をやさしく伝えています。

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