山崎製パンの「ランチパック ツナマヨネーズ」と、フジパンの「スナックサンド ツナ&マヨ」。
見た目もサイズもそっくりな2つですが、1枚ずつ量ってみたらおもしろいことが起きていました。1袋の重さはぴったり同じ。それなのに、中身はかなり違ったんです。
中級食品表示診断士のリーリーが、実測と裏面の一括表示から中身を比べます。
【結論】ツナ味はランチパックです
食べ比べても、量ってみても、同じ方向の答えが出ました。
- 味も食感もランチパックが上……玉ねぎがゴロゴロ、全体にまんべんなく塗られています
- 1袋の重さは、どちらも102.2gでまったく同じ……それなのにランチパックの脂質はスナックサンドの約2倍
- 1袋の中の2枚は、スナックサンドのほうが少しばらついていました……ただし差は1.6gと0.2g。わずかな違いです
- 安さならスナックサンド……グラム単価は1.39倍おトクでした
なおこの記事の味の評価は、添加物の多い少ないとは切り離して、純粋に食べた印象で書いています。
まずは、食べてみた感想から

ランチパックは玉ねぎがゴロゴロ入っていて、食感が楽しい。ツナもしっかり感じられます。そして全体にまんべんなく塗られていて、どこを食べてもツナを感じられました。味はやや濃いめですが、塩味と甘味のバランスがちょうどよく、最後まで飽きません。
スナックサンドはツナの香りと味は強め。ただ、具の量が少なく感じました。端まで詰まっておらず、塗り方にもムラがあります。
まずくはないのですが、味も食感もランチパックのほうが上だと感じました。
この「ムラ」の印象については、あとで重さを量ったときにも少し触れます。
1枚ずつ量ったら、合計はぴったり同じだった




| 1枚目 | 2枚目 | 合計 | 2枚の差 | |
|---|---|---|---|---|
| スナックサンド ツナ&マヨ | 50.3 g | 51.9 g | 102.2 g | 1.6 g |
| ランチパック ツナマヨネーズ | 51.0 g | 51.2 g | 102.2 g | 0.2 g |
上段がスナックサンド、下段がランチパックです。
おどろいたのは合計でした。1袋の合計は、どちらも102.2g。メーカーも商品も違うのに、ぴったり同じだったんです。
いっぽう1袋の中の2枚を見ると、スナックサンドは50.3gと51.9gで1.6gの差、ランチパックは51.0gと51.2gで0.2gの差でした。
ただしどちらも1枚50g前後に対しての差なので、量としてはごくわずかです。スナックサンドで約3%、ランチパックで約0.4%。手に持って気づくような違いではありません。
しかも今回量ったのはそれぞれ1袋だけ。これだけで「こちらのほうが均一」と言い切ることはできません。
とはいえ、食べたときにスナックサンドについて「端まで詰まっていない」「場所によってツナがない」と感じていたので、数字を見て少し腑に落ちた——そのくらいの話として受け取ってください。
重さがバラついても、ルール違反ではありません
「1.6gも差があっていいの?」と思われるかもしれません。じつは問題ありません。
食品には「量目公差(りょうもくこうさ)」という決まりがあります。ざっくり言うと、「100g」と書いて売るなら、実際は何gまで少なくてよいかの上限を決めたルールです。
ただしこれは、重さや体積で表示したときだけのルール。今回の内容量の欄は、どちらも「2個」。グラムではなく個数で書かれています。
つまり「2個」と書いてあって2個入っていれば、それで表示どおり。1枚ごとの重さは問われないんですね。
「じゃあグラムで書かないとダメな食品なの?」という疑問も浮かびます。じつは重さでの表示が求められる「特定商品」は、計量法の政令で29項目に決められています。お菓子は「菓子類」として入っていますが、食パン・菓子パン・調理パンは、この菓子類には含まれないと経済産業省のQ&Aで整理されています。だから調理パンは、個数で表示してよい食品なんです。
重さが同じなのに、ランチパックの脂質はスナックサンドの約2倍


| 1個あたり | エネルギー | たんぱく質 | 脂質 | 炭水化物 | 食塩相当量 |
|---|---|---|---|---|---|
| スナックサンド | 120 kcal | 3.8 g | 4.3 g | 16.6 g | 0.71 g |
| ランチパック | 154 kcal | 4.9 g | 8.5 g | 14.5 g | 0.7 g |
ふつう商品を比べるときは、1枚の重さが違うので100gあたりに換算する必要があります。でも今回はその手間がいりません。1袋の合計がどちらも102.2g、つまり1枚あたりの平均も51.1gで同じだからです。
つまりこの表の数字が、そのまま「同じ重さでの比較」になっています。
| スナックサンドを1としたとき ランチパックは | 倍率 |
|---|---|
| エネルギー | 1.28倍 |
| たんぱく質 | 1.29倍 |
| 脂質 | 1.98倍=ほぼちょうど2倍 |
| 炭水化物 | 0.87倍(スナックサンドが多い) |
| 食塩相当量 | ほぼ同じ |
同じ重さなのに、ランチパックの脂質はスナックサンドの約2倍。これは、詰まっているものが違うということです。
ランチパックは油分のあるツナと玉ねぎがしっかり入り、スナックサンドはそのぶんパンの割合が多い。食べた印象そのままの数字でした。
1袋(2個)食べるとこうなります
| 1袋=2個 | エネルギー | たんぱく質 | 脂質 |
|---|---|---|---|
| スナックサンド | 240 kcal | 7.6 g | 8.6 g |
| ランチパック | 308 kcal | 9.8 g | 17.0 g |
1袋まるごとだと68kcalの差。脂質は8.4gの差になります。パッケージの数字は「1個あたり」なので、実際に食べる量で見るとインパクトが変わりますね。
コスパは、グラム単価で見るとはっきりします
私が買ったときの値段は、こうでした。
| 内容量(実測) | 本体価格 | 税込 | グラム単価(本体価格) | |
|---|---|---|---|---|
| スナックサンド ツナ&マヨ | 102.2 g | 100円 | 108.00円 | 0.98円/g |
| ランチパック ツナマヨネーズ | 102.2 g | 139円 | 150.12円 | 1.36円/g |
重さが同じなので、値段の差がそのままコスパの差になります。スナックサンドが1.39倍おトクでした。
※2026年8月、筆者が購入した店舗での価格です。どちらも「家計応援」の値下げ期間中で、スナックサンドにはさらに期間限定の値引きが付いていました。調理パンはオープン価格なので、店舗や時期で変わります。
裏面の一括表示を読み比べる


ランチパックは「まぐろ」と書いてある
原材料名のいちばん最初、つまりいちばん多く使われている原材料を比べます。
| 原材料名の1番目 | |
|---|---|
| ランチパック | ツナサラダ(まぐろ油漬け、ドレッシング、たまねぎ、その他)(国内製造) |
| スナックサンド | タマネギ入りマヨネーズ風味ツナフィリング(国内製造) |
ランチパックは「まぐろ油漬け」と、魚の種類まで書いています。いっぽうスナックサンドは「タマネギ入りマヨネーズ風味ツナフィリング」。玉ねぎが入っていることや味の方向はわかりますが、カッコ書きの中身がないので、何の魚をどう加工したものかまではわかりません。
実は、食べたときにも引っかかった点がありました。スナックサンドのツナは、ツナ缶の味というより、独自に味つけされたもののように感じたんです。ただ、それが何なのかは、ラベルを見ても確かめられません。
なお、こうした複合原材料の中身をどこまで書くかにはルールがあり、条件を満たせば省略できます。スナックサンドの書き方が違反というわけではありません。ただ、買う人にとっての情報量には差がつきます。
落とし穴|「具のほうが多い」とは読み取れません
原材料名は使った重量の多い順に書くルールです。だからフィリング(具)が、単独の原材料としてはいちばん重いことはわかります。
ただし、ここには落とし穴があります。
2番目以降に並んでいるのは、小麦粉・砂糖・マーガリン・パン酵母・食塩・脱脂粉乳など。これらはどれもパンの材料です。パンは複数の原材料に分かれて書かれているので、合計してパンと具のどちらが重いかは、この表示からは読み取れません。
原材料名の順番でわかるのは「ひとつひとつの原材料の順位」だけ。「パン全体」対「具全体」のような、まとめた比較はできないんですね。表示を読むときに間違えやすいポイントです。
アレルゲン|スナックサンドには「りんご」
| 表示されているアレルゲン | |
|---|---|
| ランチパック ツナマヨネーズ | 乳成分・卵・小麦・大豆 |
| スナックサンド ツナ&マヨ | 卵・乳成分・小麦・大豆・りんご |
見た目がそっくりでも、アレルギーのある方にとっては別の商品です。りんごは「特定原材料に準ずるもの」という、表示が推奨されているグループに入っています。
枠の外にも情報があります
スナックサンドは、一括表示の枠の外にこんな注意書きを載せていました。
- 本品製造ラインでは落花生を含む製品を生産しています
- タマネギの硬い部分がまれに残っている場合があります
- 原料由来の黒っぽいものがまれに入る場合があります
1つ目はコンタミネーション(意図しない混入)の注意喚起。落花生は特定原材料の9品目に入っているので、アレルギーのある方には大切な情報です。枠の中だけでなく、外も読む価値があります。
「マヨネーズ」と書ける条件は、けっこう厳しい
商品名は「ツナマヨネーズ」「ツナ&マヨ」。でも原材料名を見ると、どちらも「マヨネーズ」とは書かれていません。
- ランチパック……ツナサラダ(まぐろ油漬け、ドレッシング、たまねぎ、その他)
- スナックサンド……タマネギ入りマヨネーズ風味ツナフィリング
じつは「マヨネーズ」には、日本農林規格(JAS)で細かい決まりがあります。
- 卵黄または全卵を使っていること
- 原材料及び添加物に占める食用植物油脂の重量の割合が65%以上であること
- 使える原材料は食用植物油脂・食酢またはかんきつ類の果汁・卵黄・卵白・たん白加水分解物・食塩・砂糖類・蜂蜜・香辛料だけ。添加物も調味料(アミノ酸等)と香辛料抽出物しか使えません
最後の条件がとくに厳しく、増粘剤や着色料を足した時点で、この規格からは外れます。逆に言うと、調味料(アミノ酸等)が入っていても規格上は問題ありません。
※JASは任意の制度なので、「規格に合わないとマヨネーズと書いてはいけない」というルールではありません。ただ、業界の共通のものさしとして広く使われています。
原材料名に「マヨネーズ」という言葉が見当たらないときは、規格でいうマヨネーズとは少し違うものが使われているのかもしれない——そのくらいの読み方をしておくと、表示を見るのが少し楽しくなります。
【まとめ】ツナ味はどっちを選ぶ?
| スナックサンド | ランチパック | |
|---|---|---|
| ツナの具 | △ 量が少なく、ムラがある | ◎ 玉ねぎゴロゴロ・全体に均一 |
| 2枚のばらつき | 1.6g | 0.2g(どちらもわずか) |
| 1袋の内容量 | 102.2 g | 102.2 g(同じ) |
| 1袋のエネルギー | 240 kcal | 308 kcal |
| 脂質(1個) | 4.3 g | 8.5 g |
| グラム単価(本体価格) | 0.98円/g | 1.36円/g |
| アレルゲン | 卵・乳成分・小麦・大豆+りんご | 卵・乳成分・小麦・大豆 |
| 具の中身の開示 | カッコ書きの中身がない | 「まぐろ油漬け」まで開示 |
- ツナをしっかり味わいたい → ランチパック
- 安く買いたい・カロリーを抑えたい → スナックサンド
- りんごのアレルギーがある → ランチパック
- 中身をきちんと知って買いたい → ランチパック
ツナの具は、味でも量でもランチパックが上でした。ただし値段はスナックサンドが1.39倍おトク。「どっちが正解」ではなく、何を優先するかですね。
たまご味の比較は、こちらでくわしく取り上げています。
この記事の出典
- 各商品のパッケージ表示(2026年8月購入分)
- 重さは自宅のキッチンスケールで実測(最小表示0.1g)
- ドレッシングの日本農林規格(JAS 0955:2024、2024年8月30日改正)
- 特定商品の販売に係る計量に関する政令(平成五年政令第二百四十九号)別表第一・第三条
- 日本農林規格の格付制度について(農林水産消費安全技術センター)
- 価格は筆者が購入した店舗の表示(2026年8月・値下げ期間中)
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